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電光天使第三稿

シーン1 朝 美樹子の自宅
「圭太、学校遅刻するわよ」
「あなた、いつまで寝てるの、今日は部長さんがどうとか言ってたじゃないの知らないわよ」
夫と息子を送り出す美樹子。
外に出ると住宅街の駅の方。バリヤカーテンが引かれ、そこでは巨大モーラーとグランドマザーが戦っている。
それを眺めている美樹子。

シーン2 夕方 駅のスーパー
惣菜のタイムセールがはじまっている。
メンチカツ元値半額、最後の1個。
美樹子これならと手をのばす、と隣からも伸びる手。同時タッチ。
美樹子「あら」
薫「ま」

シーン3 夕方 住宅街公園
美樹子と薫が買い物袋を持って並んで歩いている。
美樹子「こっちに住んでるの今あんた」
薫「うん」
美樹子「朝、ギュノーメカを見たよあれあんた?」
薫「そ」
美樹子「なんかあんた疲れてない?」
薫「そお?」
美樹子「山本君元気?」
薫「と思う」
美樹子「思うってあんた一緒にいるんじゃないの」
薫「ん、そう」
美樹子「そうってあんた。。。」
薫「あ、あたしこっち曲がるんだ。会えてよかった。圭くんとご主人によろしく、そのうち顔出すわね」
美樹子「まちなさいよ、これあげるわ」
美樹子メンチカツを渡す。
よろよろと去っていく薫。見送る美樹子。

シーン4 美樹子の自宅
美樹子掃除をしながらでんわをかけている。
「なんかねもうぼろぼろだったわよ、薫、現場にいってやってるみたい」
中学校の職員室。令子はパソコンを叩きながら美樹子とでんわしている。
「イレイサーはなにやってるの、ちゃんとひと補充してるわけなの?」
「それはね、そんなこといってたわよ、だいたいグランドマザーだって3機くらいちがうの見たし」
「だいたい薫、まだやまもっちゃんと結婚してないわけなの?一人暮らしなの?」
「あのふたりの性格覚えてるでしょ、あたしはまだ付き合ってもいないと思うんだけどな」
「いったいあたしたち幾つになったと思ってるのよ」
「奥手なひとたちはいつまでも奥手なものなのよ、令子」

シーン5 市民センター内会議室
和服姿の静香がお花の講義をしている。
講義が終わると美樹子が待っている。
静香「エイトミック」
美樹子「その姿でカタカナ名前で呼ばれると違和感ばりばりね」
静香「ばりばりってなにか死語」
美樹子「なによ、いいじゃない、おたがい年寄りだもん」
「体育館長さんが、またエイトミックに武道部の指導員をやって欲しいって、いってた。」
「圭太がいるからね、夜はちょっとぬけらんないよ。。。あんたも忙しそうね静香」
「今日は、これからだんなさま主催の晩餐会に同行、してといわれてる」
「そっか、ごめん、邪魔しちゃったわね」
「エイトミック。用があったんじゃないの」

シーンX1美樹子の自宅リビング
片手には家計簿、片手にはアルバイトニュース。
「ふうむー」
「んー」

シーン8 街中
暴れまわる巨大モーラーとギュノーソルジャー。
グランドマザーと薫ースパークが出動する。
ライトニングスマッシュでソルジャーを倒していくスパーク。
しかしやがて囲まれてリンカンコンチネンタル。

そこへ美樹子がやってくる。変身してふともも挟み。
「美樹子!」
「ばかね、名前呼んだら正体がばれちゃう」
ギュノーソルジャーをパンチとキックで粉砕する。
エイトミック、と呼ばれる彼女の能力である。
しかし数が多く、彼女の背後にハンマーをもったリーダーギュノーが迫る。
するとハンドレーザーがハンマーを破壊。
「計算をしきらないですのよね、いつまで経ってもあなたがた」
令子の眼鏡部はスキャニングレーダーになっている。敵をロックオンし、両腕に装着されたハンドレーザーが火を吹く。彼女はスキャナと呼ばれていた。
「おのれ」さらに数を増すギュノーソルジャー。
しかし彼らは残らず宙に浮き、うろたえる。
静香が両手を掲げ、強力な念動力で浮かせているのだ。左右に広げると、ソルジャーはふっ飛んでいく。彼女はフューズと呼ばれていた。
「スキャナ、いつもひとこと多い」
「くそ」ギュノーリーダーはビッグモーラーを呼ぶ。
グランドマザーも飛んでくる。乗り込む4人。
「エイトミック、おひさしぶりです」
「ごぶさた、HD」
「少し体型が変わられているようです、デイフェンスシートの形状を緩くしますか?」
「減らず口は変わっていないようね、コンソールたたっこわすわよ」
「もうしわけございません」
モーラー細かく分離して攻撃してくる。
「セパレーツフォーメーション」
グランドマザーも三機に分離。子モーラーを各個迎撃。
不利とみたか、モーラーは再び合体。巻き取り、圧壊しようとする。
「ボクサードフォーメーション」
グランドマザーの2号機の格納部分が伸び、拳が現れる。モーラーの尻尾を掴み、頭部にパンチを叩きこむ。
大爆発を起こすモーラー。

エンドシーン

「で、どうするわけ」
「え、どうするって」
「あたしたちがまだやっていいのかってこと」
「天使というにはトウが立ち過ぎてるけどね」
美樹子...
「あたしはね、英理花。こないだのと同じメンチカツで手をうつわよ。ただしタイムセールになってない状態でね」


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